2008年11月26日水曜日

石井選手より前に、五輪柔道金メダリスト

石井選手より前に、五輪柔道金メダリスト(92年バルセロナ大会)から総合格闘技に転向した吉田秀彦選手。「まだ面識はない」というが、同じ柔道家出身の格闘技界の先輩としてエールを送った。 --総合格闘技の魅力は? 柔道には無い華やかさや演出があります。「ルールのあるけんか」とたとえられるくらいなので、見る人も戦う人も野性的な部分に魅力を感じ興奮するのでしょう。 --柔道と総合格闘技との大きな違いは? 柔道と総合格闘技は全く別。ルールが違うし、相手が柔道着をつけていない。でも、僕が総合格闘技の試合の中で使うのは、ほとんど柔道の技です。打撃では分が悪いので寝技で勝つしかない。相手が裸で道着をつかめないことはやっぱり難しかったが、掛ける技は一緒です。そうやって勝つことで、柔道が通用することを分かってもらえたと思います。 --柔道からの転向で大変だったことは? 技術的には、柔道には無い打撃とけりに対応することでした。頭では分かっていても体で覚えていないと反応できない。打撃をよけたりカットしたりするため、目を慣らさないといけないんです。 柔道界との関係では、プロに転向すると柔道連盟を出されてしまうことで大変な思いもしました。柔道連盟は柔道選手がプロ格闘技に出場することを禁止していて、転向は、実質的にどちらを取るかの選択を迫られます。石井も大変だったと思う。プロとアマの壁が低いレスリングのように、柔道と総合格闘技も選手が行き来できる仕組みができることが望ましいと思う。 柔道界にも、総合格闘技が好きな人がたくさんいる。自分がやってきた柔道を生かして飯を食っていけることが一番いいと思うんです。僕は職業の一つとして総合格闘技を選んだが、柔道が嫌いになったわけではない。(柔道関係者に)あまり分かってもらえないことは残念です。 --石井選手の転向についてどう思うか? 石井の人生ですから、他人がどうのこうの言うことではありません。本人が決断して頑張るならそれでいいと思う。プロは結果がすべて。石井には、とにかく「自分の人生を頑張れ」と言いたい。